第73回 税理士試験 消費税法 模範解答・解説・講評

ご利用に当たっての注意事項
⑴ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、試験実施機関における本試験の解答、配点、配点箇所並びに出題の意図を保証するものではありません。
⑵ 掲載内容は2023年8月11日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。
⑶ 掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。
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本試験講評
 本試験お疲れ様でした。今年も理論2問、計算2問(原則軽減+原則不動産)の形式であり、理論の解答量は少ないですが、計算については昨年と同様にボリュームの多い問題でした。
 理論については高得点が求められますが、計算は最後まで解く必要はなく、全体を通じて取れるところを解答できるかが合否のポイントとなると思われます。理論を早く終わらせ、計算(特に問2)に充てる時間を増やすことが必要です。
 以下講評となります。

第一問

問1
 重要度の高い居住用賃貸建物に関する問題で、内容もどれも基本的なものであるため、ほぼ完答する必要があると思われます。
 用語の意義については、配点に比べて問題量が少ないため、可能であれば調整対象固定資産の内容まで解答したほうが適当です。
 ただし、⑶の「消費税法施行令に定める事項」については、できる限りの解答で問題ありません。貸付期間等については触れるようにしてください。

 第一問の問1の合格ボーダーラインは23点、合格確実ラインは27点位になると思われます。

問2
 全体的に難易度は高くないため、結論については基本的に完答が求められます。
 ⑵の「食事の提供」の意義は、完璧に解答することは難しいと思われますが、問題文中で触れるよう指示されているため、自分の言葉で構わないので同じような内容を解答する必要があると思われます。

 第一問の問2の合格ボーダーラインは14点、合格確実ラインは17点位になると思われます。

第二問

問1
 納税義務の判定はなく、個々の論点もそれほど難しくありませんが、問題量が多いため、高得点は難しいと考えられます。
 売上高の取引判定を間違えると、課税仕入れの対応区分等にも影響が生じ、また、適用税率や課税仕入れの対応区分の判定が煩雑であるため、焦ってミスをしないようにする必要があります。
 制限時間内で最終値の集計まで終わらせるのは難しいですが、各論点を満遍なく解答する必要があると思われます。

 第二問の問1の合格ボーダーラインは15点、合格確実ラインは18点位になると思われます。

問2
 不動産業の総合問題であり、個々の論点は難しくなく、金額の集計等もあまり煩雑ではありませんが、問1との兼ね合いや、調整対象固定資産の調整があることを考慮すれば、最後まで解答することは難しいと考えられます。
 しかし、問1よりも問題量は少ないものの、配点が同じですので、ある程度の高得点は必要になると思われます。

 第二問の問2の合格ボーダーラインは18点、合格確実ラインは21点位になると思われます。

来年に向けて
 近年の試験は計算の解答量が多く、解答スピードが求められる印象があります。来年度受験する方は計算のスピードを高めるためにインプットだけではなく、アウトプットの練習をする意識を強く持つ必要があります。
 また、来年の試験よりインボイス制度が範囲となります。特に仕入税額控除の計算に与える影響が大きく、これまでよりも計算が煩雑になる可能性がありますので、理論・計算ともに十分な学習が必要です。
 理論は個別理論、事例理論の両方が出題されるため、暗記するだけでなく、事例問題に対して的確に回答するアウトプットの練習もあわせて行ってほしいと思います。

合格ボーダー
 全体の合格ボーダーラインは70点、合格確実ラインは83点位になると思われます。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


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