第72回 税理士試験 所得税法 模範解答・解説・講評

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⑴ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、試験実施機関における本試験の解答、配点、配点箇所並びに出題の意図を保証するものではありません。
⑵ 掲載内容は2022年8月29日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。
⑶ 掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。
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1.総評
 受験生の皆さん、今年も新型コロナウイルス感染症拡大中の中、本試験大変お疲れ様でした。受験生の中には、新型コロナウイルス感染症に感染してしまい、受験できなかった方や、万全の状態で受験できなかった方も多く、非常に大変な中での税理士試験でした。
 今年の本試験は、理論問題が2問形式の出題であり、内容としては、納税義務者に関する事例問題と純損失の繰戻しによる還付請求の個別理論問題でした。
 また、計算問題は、1問形式の出題であり、内容としては、幅広く論点を問う問題でした。
 特に計算問題は、問題量も多く、試験委員がミスを誘発するように出題している箇所も少々ありましたので、実際解答速報を見て、思いのほか手応えを感じることができない受験生も多かったのではないでしょうか。

第一問

問1
 納税義務者の区分、その区分に応じた課税所得の範囲・課税方法・所得控除を事例問題により問われているため、落ち着いて事例問題の前提を把握し、正しい結論を解答例のとおり解答してほしいところです。
 やはり、合否のポイントは、しっかりと納税義務者の定義を述べ、AとBの正しい納税義務者の区分を解答できたかどうか、そしてその区分に応じた課税所得の範囲・課税方法・所得控除を正答できたかどうかであると思います。ですから、その点を多く誤答してしまうと、試験委員の印象も悪く、合格は難しいのではないでしょうか。理論の精度も大事ですが、それよりも、結論を正しく解答できていたかどうかが重要視されると思います。

問2
 純損失の繰戻しによる還付請求の制度の概要(適用要件及び還付請求をする際の手続を含む。)が問われているため、当該事項について、解答例のとおり個別理論を解答してほしいところです。
 損失関連の理論は、税理士試験において頻出論点であり、純損失の繰戻しによる還付請求も重要性の高い論点として、どの受験生も対策をしていた論点であることが予想できるため、如何に精度よく解答できたかどうかが合否に影響するかと思います。
 また、問題文で「事業の廃止があった場合の還付請求についても説明すること。」とあるため、この点を正確に解答できているかどうかが、試験員の採点においても重要視されると思います。
 なお、あえてなお書きで説明する旨の指示がないことから、解答例に解答しておりませんが、「相続人等の還付請求」を解答している場合には、加点項目となると思います。

 第一問の合格ボーダーラインは34点位、合格確実ラインは41点位になると思われます。

第二問

 問題量は多いですが、幅広く所得税の論点が問われており、その点については良問でした。ただ、受験生が良く問題を読み込み、判断しないと正答できないような出題や問題文だけでは判断しかねる箇所も少々あったため、その点、実力をうまく発揮できない問題でもあったのかなと思います。
 その中で、基本的な論点をケアレスミスすることなく、できる箇所をしっかりと解答していること、それ以外のところで如何にアドバンテージをつけることができたかどうかがポイントであったかと思います。
 また、譲渡所得の答案用紙が特殊な形であったため、その部分に時間をかけすぎてしまうと他の論点の解答が難しくなってしまうため、時間配分も考えて解答できたかどうかも重要なポイントであったかと思います。

 第二問の合格ボーダーラインは29点位、合格確実ラインは38点位になると思われます。

合格ボーダー
 合格ボーダーラインは63点位、合格確実ラインは79点位になると思われます。

最後に
 今回の試験問題は、理論問題、計算問題ともに1年間、しっかりと学習している方の学習度合を見極めるためには、幅広い論点から出題されており、非常に良問であったのかなと思います。
 ただ、計算問題については、難解な部分や判断に迷う部分、ミスを誘発する部分も多いため、実力があっても、得点をすることができず、受験生の答案に差がつかないような気がしました。その点で言うと、理論問題の精度が合否に重要となってくるのではないかと思います。
 受験生にとっては、合格発表まで待たないと合否を判断することは難しい問題であったことから、そういった点を踏まえて今後の予定を考えてみて下さい。受験生の皆さん、1年間本当にお疲れ様でした。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


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