第71回 税理士試験 所得税法 模範解答・解説・講評

ご利用に当たっての注意事項
⑴ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、試験実施機関における本試験の解答、配点、配点箇所並びに出題の意図を保証するものではありません。
⑵ 掲載内容は2021年8月21日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。
⑶ 掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。
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1.総評
 受験生の皆さん、本試験お疲れ様でした。
 受験生の皆さん、新型コロナウイルス感染症拡大中の中、本試験大変お疲れ様でした。今年の本試験は、理論問題が2問形式の出題であり、内容としては、青色申告特別控除の個別理論と国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ(問9)及び名古屋国税局が回答した文書回答事例(個人事業者が事業の遂行上必要な機械装置を購入することに対して交付を受ける国庫補助金等の所得区分について)から出題された給付金等の取扱いを問う問題でした。
 また、計算問題も2問形式の出題であり、内容としては、近年の改正論点や難解な譲渡所得の取扱いを問う問題でした。
 特に計算問題は、近年の本試験の中でも、難しいものであったため、本試験終了後に手応えを感じることができない受験生も多かったのではないでしょうか。
 具体的に振り返ると次のとおりです。

第一問

問1
 青色申告特別控除の制度の概要が問われているため、当該事項について、解答例のとおり個別理論を解答してほしいところです。
 令和2年分の所得税等の計算より改正が行われていた重要性の高い論点であり、どの受験生も対策をしていた論点であることが予想できるため、如何に精度よく解答できたかどうかが合否に影響するかと思います。

問2
 国又は地方公共団体から支給を受けた問題文に記載されている給付金等の取扱いについて、問題の指示にあるとおりに「課税・非課税の判定」、「課税の場合の所得区分」、「取扱いの理由」をしっかりと解答してほしいところです。
 理論集に掲載されているものではありませんが、計算問題で一部その取扱いを学習しているところではありましたので、計算問題での取扱いを思い出しながら、解答作成をしてほしかったところです。
 まずは、課税・非課税の判定ができ、課税の場合の所得区分が正答できていること、取扱いの理由を事業(業務)との関連性という観点から解答できていることが、合否に影響するかと思います。
 さらに追加の項目として、具体的な非課税とならない理由や個人事業者が事業用機械の購入費用に充てるために支給を受ける補助金についての総収入金額不算入の取扱いも解答していると加点項目として採点していただけるのではないでしょうか。

 第一問の合格ボーダーラインは36点位、合格確実ラインは42点位になると思われます。

第二問

問1
 全体的にいやらしい出題が多く、受験生が良く問題を読み込み、判断しないと正答できないような出題が多くあった印象です。
 また、国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例や所得金額調整控除などの近年の改正論点からの出題もありました。
 一見すると所得控除等は、解答しやすそうですが、見落とし等があると正答できないため、得点しづらい問題であったかと思います。
 その中で、基本的な論点をケアレスミスすることなく、できる箇所をしっかりと解答していることがポイントであったかと思います。

問2
 近年創設された配偶者居住権及び敷地利用権に関する論点が出題されていますが、国税庁が公表している「配偶者居住権に関する譲渡所得に係る取得費の金額の計算明細書等の記載例について(情報)」に掲載されていた設例以上に難解な問題の出題でした。通達の細目論点等も組み合わされた出題であったため、制限時間内に解答することは、困難であるかと思います。
 ですから、計算過程欄で各金額の計算のプロセスを示すことができれば、多少採点していただけるのではないでしょうか。
 多くの受験生が解答することが難しい問題なだけに、埋没論点となってしまうような気がします。

 第二問の合格ボーダーラインは26点位、合格確実ラインは32点位になると思われます。

合格ボーダー
 合格ボーダーラインは62点位、合格確実ラインは74点位になると思われます。

最後に
 今回の試験では、理論問題は、近年の改正論点やコロナ渦で話題となった論点からの出題であり、税理士たるもの日々新たな知識を得ていかなければならないという考え方からすれば、非常に良い問題であったかと思います。
 しかし、計算問題があまりにも難解な部分や、いやらしい出題が多く、所得税法の試験で税理士としての適性を図るには、この問題だと図りづらいような印象を受けました。(ただ、計算問題は、非常に骨のある作り込まれた問題でした。)
 受験生にとっては、対応が難しい問題であったことは事実であり、合格発表まで待たないと合否を判断することは難しい問題であったことから、そういった点を踏まえて今後の予定を考えてみて下さい。受験生の皆さん、1年間本当にお疲れ様でした。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


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