第69回 税理士試験 財務諸表論 講評・模範解答・解説

主任講師
理論:早谷 準一  計算:渡辺 光

第一問

 評価という財務会計の基礎概念の切り口から横断的に出題されています。
 問1では,討議資料「財務会計の概念フレームワーク」(以下,「概念フレームワーク」という。)の理解と「概念フレームワーク」と各会計基準の関連性についての出題です。「概念フレームワーク」は,第68回(昨年)に引き続き本格的な出題を見ました。
 また,形式面も昨年同様,選択問題と記述問題になっています。問1の出題の背景には,金融投資と事業投資という財務会計の大きな枠組みがあり,これを意識した記述が小問(6)では求められるものと思います。また,問2の題材は「引当金に関する論点の整理」にありますが,同様の論点が,すでに「固定資産の減損に係る会計基準」,「資産除去債務に関する会計基準」および「収益認識に関する会計基準」において取り上げられている点を想起できれば,ある程度対応可能なものと考えられます。ただし,小問(4)については解答は困難であると考えます。
 このような点から,各問において,選択問題についてできるだけ得点を積み上げておくことが必要といえます。

 第一問のボーダーラインは13点位になると思われます。

第二問

 問1では会計上の認識・測定等の観点から,「企業会計原則」の基本原理とその他有価証券の評価差額野取扱いの根拠が問われています。他方,問2では,「リース取引に関する会計基準」(同「適用指針」も含む。)に関し,ファイナンス・リース取引の具体的判定基準と所有権移転ファイナンス・リース取引と所有権移転外ファイナンス・リース取引における減価償却費の算定方法が異なる理由が問われています。
 いずれも,ここ数年来の税理士試験において難易度は低く,基本的な出題であるため,空欄補充問題はほぼ正解すべきものと思われます。また,その他有価証券の評価差額の取扱いの根拠は税理士試験において頻出論点ですから,これも確実に得点できる必要があります。加えて出題の蓋然性が高いと考えられていたリース会計からの出題ですので,ケアレスミスは致命的であると考えられます。
 いずれの問題も日頃の学習において,「なぜ,どうして」を自ら問いかけた本質的な学習を行っているかを試していると思います。基本的かつオーソドックスな論点について確実に拾えているか,出題予想に流されず体系的な理解を踏まえ各論点を整理した学習が日頃からなされているかが合否の分岐点と考えます。

 第二問のボーダーラインは20点位になると思われます。

第三問

 今回は,計算自体は難解な項目はほとんど無く,最近の第三問の問題では最も易しい問題では無いか思われます。どちらかといえば計算よりも解答用紙との関係から表示場所(例えば,追徴法人税等や破産更生債権等の取扱)の判断やキャッシュ・フロ-計算書の問題などは意表つかれた感じなので,どれだけミスを少なくすることが合否のポイントになると思われます。

 第三問のボーダーラインは35点位になると思われます。

合格ボーダー
 全体のボーダーラインは68点位になると思われます。

解答 – 解説 –


※ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、実際の解答との適合を保証致しかねます。また、掲載内容は2019年8月9日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。なお、掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。以上の事項を予めご承認の上、ご利用下さい。

Adobe Reader のダウンロード※ 解答・解説は、PDFファイルとなっております。こちらのWEBサイトより Adobe Reader のダウンロードをお願い致します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事