第69回 税理士試験 相続税法 講評・模範解答・解説

主任講師:片桐 努

本試験講評
 受験生の皆様、大変お疲れ様でした。
 第一問の理論問題は、近年の税制改正により創設・改正が行われた論点からの出題となりました。近年の試験でも創設・改正論点からの出題が多いので、近年の傾向に漏れない出題でした。
 第二問の計算問題は、第68回税理士試験と同レベルの難易度の問題となりました。試験問題のミスや、多少の指示不足がある点を除けば、問題の分量及び出題内容もしっかりとした問題でした。ただし、内容自体は基本的な事項が多いので、早く正確に解答した上で、得点を稼ぐことができたかが1つの分かれ目となると考えられます。

第一問

問1
 相続時精算課税に関して、(1)相続税法に規定されている適用要件及び適用手続を解答する個別理論と、その上で(2)租税特別措置法に規定されている適用要件の特例措置を解答する列挙形式の理論問題での出題でした。
 平成30年度税制改正及び令和元年度税制改正により、法人版事業承継税制の特例及び個人版事業承継税制の適用を受ける場合に、相続時精算課税適用者の範囲を拡充する特例措置が租税特別措置法に規定されたため、出題されたのではないでしょうか。
 (1)の相続税法に規定されている適用要件及び適用手続については、細目的な手続に関する部分については解答は要しないものと考えられます。そのため、贈与者が年の中途において死亡した場合や提出の承継等については、解答は不要と考えられます。
 (2)の租税特別措置法に規定されている適用要件の特例措置については、それぞれの特例措置を列挙できるかどうかが1つのポイントとなるのではないでしょうか。
 なお、受贈者の要件なども解答すべきではありますが、答案用紙の枚数や全体の分量を考慮すると解答は難しいので、解答の有無は影響しないのではないか。
 これらの点を考慮して、問1の合格ボーダーラインは22点位、合格確実ラインは24点位になると思われます。

問2
 租税特別措置法及び災害減免法において、災害があった場合に適用が可能とされている相続税の課税価格の計算の特例を解答する個別理論での出題でした。
 平成29年度税制改正により、特定非常災害に関する特例措置が創設された点と、近年の災害が頻発している点を考慮して出題されたのではないでしょうか。
 特定非常災害の特例及び災害減免法の特例を解答することになりますが、それぞれの規定の取扱いを解答できたかが1つのポイントとなるのではないでしょうか。
 なお、規定の適用を受けるための手続きについては、全体の分量を考慮すれば解答できていなくてもあまり影響はないと考えられます。
 これらの点を考慮して、問2の合格ボーダーラインは10点位、合格確実ラインは14点位になると思われます。

第二問

 問題文の訂正箇所及び多少の指示不足がある点を除けば、比較的解きやすい問題でした。目新しいものはそこまで無く、難しすぎるといったものもないため、正確に解答できたかが大きなポイントとなると考えられます。
 なお、問題の訂正・削除により、解答しにくい箇所がありますが、この点については合否に影響しないものと考えられます。
 ただ、ボリュームは多い問題なので、どれだけ早く正確に解答できたかが重要になると考えられます。
 これらの点を考慮して、第二問の合格ボーダーラインは39点位、合格確実ラインは43点位になると思われます。

合格ボーダー
 全体の合格ボーダーラインは71点位、合格確実ラインは81点位になると思われます。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


※ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、実際の解答との適合を保証致しかねます。また、掲載内容は2019年8月9日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。なお、掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。以上の事項を予めご承認の上、ご利用下さい。

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