第69回 税理士試験 所得税法 講評・模範解答・解説

主任講師:志水 大介

本試験講評
 受験生の皆さん、本試験お疲れ様でした。
 今年の本試験は、理論問題について2問形式での出題ではありましたが、内容としては、個別理論であり、理論集に記載されていない部分の出題もあったことから、なかなか解答が難しい問題であったかと思います。
 昨年度本試験に引き続き、明らかに普段解いている理論問題の解答量よりも解答量が少ないことから、不安になった受験生も多いのではないでしょうか。
 その分、計算問題については、こちらも昨年度本試験に引き続き問題量が多く、難易度が高い論点も出題されていたため、問題に合わせて時間配分を考えながら、解答していくことがポイントであったかと思います。
 具体的に振り返ると次のとおりです。

第一問

 2問形式の個別理論であり、解答量としては少ない問題でした。第二問の問題量が多いことから、第一問であまり時間を使い過ぎないことがポイントであったと思います。

問1
 債務免除を受けた場合の課税関係が問われているため、まず、当該債務免除益が事業所得の総収入金額に算入される旨を解答することが必須になるかと思います。特例の方に意識がいってしまいがちですが、原則的な債務免除益の取扱いは、解答としては欲しいところです。
 債務免除益の総収入金額不算入については、理論集に記載のない部分も解答例に挙げていますが、他の受験生もおそらく解答することは困難であるため、理論集に記載されている部分を精度よく解答できたかどうかがポイントであったかと思います。
 また、債務処理計画に基づく減価償却資産等の損失の必要経費算入の特例については、理論集に記載のない論点であったため、こちらも解答例には挙げていますが、計算論点として学習したところを思い出して、作文程度に解答できていれば十分かと思います。

問2
 国外財産調書や財産債務調書については、答案練習でも出題していたため、精度よく解答してほしいところである。
 特に、提出要件である金額が「超」である部分と「以上」である部分があるため、その点を気を付けて解答できたかどうかがポイントであったかと思います。
 また、問題では、「誰が」、「どのような場合に」、「何を記載して」、「いつまでに」、「どこに提出しなければならないか」を簡潔に説明することとあることから、当該事項に沿って解答した方が採点者からすれば印象が良いかもしれません。
 なお、加算税の取扱いについては、細目論点であり、5%加重されるなどポイントが触れてあれば十分かと思います。

 第一問の合格ボーダーラインは23点位、合格確実ラインは32点位になると思われます。

第二問

 2問形式の出題であり、問1においては、事業所得を中心とする出題、問2においては、準確定申告を題材にした不動産所得を中心とする出題でした。
 問1及び問2いずれも、確実に正答できる部分を解答できたかどうかがポイントになってくるかと思います。

問1
 個人事業主では、あまり計算問題で取扱うことのない、請負工事に関する出題がされ、問題の解釈が難解なところや建設機械の賃貸等に関して引っかけ問題のような部分もあり、なかなか得点を稼ぐことが難しいかと思います。

問2
 準確定申告、かつ、未分割財産の取扱いが問われていたため、月数按分や法定相続割合を乗じ忘れたりしてしまう受験生も多かったのではないでしょうか。

 第二問の合格ボーダーラインは30点位、合格確実ラインは35点位になると思われます。

合格ボーダー
 合格ボーダーラインは53点位、合格確実ラインは67点位になると思われます。

最後に
 今回の試験は、理論問題では、問1について柱挙げができたかどうか、問2については、国外財産調書及び財産債務調書の個別理論が精度よく解答できたかどうかポイントであり、計算問題については、ケアレスミスなく、計算問題でアドバンテージをとれたかどうかがポイントになると思います。
 ただ、難解な部分や判断に迷う部分、ケアレスミスを誘発する部分も多く、合否がわかりづらい問題であったのかと思います。
 個人的には、合否の判断のつきづらい問題であったので、今後のスケジュール等考えづらく、心境としては複雑な問題でした。
 受験生の皆さん、1年間本当にお疲れ様でした。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


※ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、実際の解答との適合を保証致しかねます。また、掲載内容は2019年8月9日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。なお、掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。以上の事項を予めご承認の上、ご利用下さい。

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