第68回 税理士試験 相続税法 講評・模範解答・解説

主任講師:片桐 努

本試験講評
 受験生の皆様、大変お疲れ様でした。
 第一問の理論問題は、平成30年度税制改正により創設・改正が行われた論点からの出題となりました。第67回税理士試験でも改正論点からの出題だったので、傾向からしてある程度は予想されていた項目からの出題となりました。
 しかし、問1については該当する規定を列挙して解答する必要があったので、普段から規定の繋がりなどを意識した学習を行っていたかが1つの分かれ目となると考えられます。
 第二問の計算問題は、第67回税理士試験より難易度が高い問題となりました。試験問題のミスや、多少の指示不足がある点を除けば、問題の分量及び出題内容もしっかりとした問題でした。ただし、内容自体は基本的な事項が多いので、早く正確に解答した上で、得点を稼ぐことができたかが1つの分かれ目となると考えられます。

第一問

問1
 個人以外の者に相続税を課すこととされている規定を列挙し、その内容及び計算方法を解答する理論問題でした。平成30年度税制改正により創設された特定の一般社団法人等に対する課税(相法66の2)に関する応用理論として出題されたのだと考えられます。一般社団法人等を利用した相続税の節税策が横行していたため、これを防止するために設けられた規定であり、この点を理解しているかを確認するための問題だったのではないでしょうか。
 また、相続税法における課税対象者についての基本的な考え方を理解したうえで、そこからの応用的な取扱いを理解していたかが1つのポイントとなるのではないでしょうか。
 なお、計算方法については、どこまで解答する必要があるのか判断に迷うところでしたが、基本的な事項の解答ができていれば充分であったと考えられます。
 これらの点を考慮して、問1の合格ボーダーラインは21点位、合格確実ラインは24点位になると思われます。

問2
 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用対象となる特定居住用宅地等の適用要件及び貸付事業用宅地等の適用要件を解答する理論問題でした。平成30年度税制改正により改正された点を確認するために出題されたのだと考えられます。
 解答内容としては、特定居住用宅地等及び貸付事業用宅地等のそれぞれの意義を解答すればいいため、正確に解答できたかが大きなポイントとなると考えられます。
 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例は、出題予想がされていた項目でもあるため、多くの受験生が正確に解答できていることが考えられ、高い精度での解答が必要であると考えられます。
 これらの点を考慮して、問2の合格ボーダーラインは16点位、合格確実ラインは18点位になると思われます。

第二問

 問題文の訂正箇所及び多少の指示不足がある点を除けば、比較的解きやすい問題でした。目新しいものはそこまで無く、難しすぎるといったものもないため、正確に解答できたかが大きなポイントとなると考えられます。
 なお、問題の指示不足なのか出題者の意図なのかは不明ですが、多少引っかかる点があるため、読み落しや勘違いで解答してしまう点もいくつかありますが、これらの点についてはそれほど合否には影響しないものと考えられます。
 いずれにせよ、知識を正確に発揮できたかが重要であると考えます。
 これらの点を考慮して、第二問の合格ボーダーラインは37点位、合格確実ラインは42点位になると思われます。

合格ボーダー
 全体の合格ボーダーラインは74点位、合格確実ラインは84点位になると思われます。

解答(理論) – 解答(計算) – 解説 –


※ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、実際の解答との適合を保証致しかねます。また、掲載内容は平成30年8月10日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。なお、掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。以上の事項を予めご承認の上、ご利用下さい。

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